砲駆をこれから乗りたい人に

 みなさん初めまして。当ブログに足を運んでいただきありがとうございます。こーちゃと申します。アジア鯖でAdmire_Vega_prprというIGNでプレイしています。得意な艦艇はKhabarovskやDelnyなど、いわゆる砲駆と呼ばれる艦艇です。

 簡単な自己紹介はここまでにして、当ブログでは

  • これから砲駆を使ってみたい!という砲駆初心者の方
  • 砲駆を使い始めたけど、もっと与ダメを伸ばしたい等技量向上を目指したい方
  • バカスカ撃ってダメージ出して気持ちよくなりたい人

などの幅広い層に向けて、私の経験を主としてお役立ちテクニックをまとめたいと思います。ここでは、主砲が主なダメージ源となる「砲駆」と呼ばれる駆逐艦のうち、特に自身の速力を活用して敵弾回避と射撃を行う仏駆逐およびソ連駆逐についてまとめます。中でも、私が普段運用している「隠蔽半切りビルド(後述)」の構成と運用について述べます。A.Regoloは筆者がツリー未開発であるため、ここでは触れません。

 

なると言え杏寿郎!

 大前提ですが、プレイスタイルと艦艇との相性には向き不向きがあります。砲駆乗りの生きがいは、敵の射撃を無駄にさせること(敵弾回避)+トリガーハッピー(火力投射)です。私含め、砲駆に乗っている人(クソデカ主語)は、おそらく自分が気持ち良くなることしか考えていません。それでいいんです。そうじゃない人はおそらく砲駆に向いていません。雷駆にでも乗っててください。後続を焼いた後にしゃぶりに行きます。

 

 また文内において、基本的には正式名称で記しますが、文章の煩雑化を避けるために一部略称や通称を用いることがあります(警戒レーダー⇒レーダー、準備時間⇒リキャスト、工作班を使う⇒Rを切るなど)。予めご了承ください。

 

 前置きが長くなりましたが、以下の要綱に沿って重要な点などをまとめ、解説します。

  1. はじめに
  2. 隠蔽半切りビルドとは?
  3. UGと消耗品について
  4. 艦長スキルについて
  5. 射撃前に必要な判断
  6. 初動は外へ向かうべし
  7. 戦闘におけるいくつかのテクニック・お役立ち情報
  8. 終わりに

 

 

 

1. はじめに

 ここではソ連/仏駆逐とそれらの特徴について簡単にまとめ、筆者が勧めるツリーについて記します。

1-1. ソ連第1ツリーDelnyおよびKhabarovsk(特別艦艇)

  • 舷側に一部50 mm装甲帯を持つ
  • 最大で4回使用可能な修理班を選択可能

 ツリー艦はこれらに加えて比較的実用性のある魚雷(Delny 10 km, Tashkent/Kiev 8 km)を持っています(Khabarovskは度重なるナーフの末、現在は6 km)。注意するべき点として、Khabarovskは転舵性能がツリーと比にならないくらい劣悪です。

 

1-2. ソ連第2ツリー Grozovoi

  • 修理班が1回減る代わりに、煙幕を独立スロットで使用可能
  • 射程が長く実用性の高い魚雷(Grozovoi 12 km, Udaloi/Ognevoi 9 km)

 ここでは砲駆として紹介しますが、このツリーはTierによって艦艇の性質が大きく変化します。具体的には下記のとおりです。

  • T8 Ognevoi(ツリー内では比較的隠蔽がよく、砲が計4門しかないため砲駆運用より雷駆運用が適している)
  • T9 Udaloi(砲が6門になった代わりに隠蔽が劣悪で、砲駆運用に向いている)
  • T10 Grozovoi(砲が6門だが、最良隠蔽6 kmと優れており、砲駆運用、雷駆運用ともに可能)

そのため、砲駆として運用する際にはT9以降を勧めます。

 

1-3. 仏駆逐ツリーKleberおよびMarceau(特別艦艇)

  • 速度を大きく向上させる(+20%)エンジンブーストをもち、約55 knotが発揮可能
  • ツリー艦艇は装填時間を-50 %する「主砲装填ブースター」を使用可能
  • 艦の被ダメージ計算が小さくなりやすく、見かけ以上の耐久性がある(後述)
  • やや実用的な魚雷(Kleber 8 km, Marceau 9 km)

 仏駆は修理班こそないものの、実際に受けるダメージ量に優遇があります。船体中央の区画HPの払い出しが他の艦艇に比べて早く終了するため、その後に船体中央で受けるダメージが半減します。そのため、実際の数値以上の耐久性を持ちます。

 

1-4. おすすめのツリー・艦艇

 筆者のもっとも勧めるツリーはソ連第1駆逐ツリーであるDelnyツリー、次点で仏駆逐ツリーであるKleberツリーになります。ただし艦別でいえば、砲駆にあまり慣れていない方には、緊急時に隠蔽に入るための煙幕を持つUdaloi/Grozovoiを勧めます。実際、筆者はソ連第1ツリー終了後に第2ツリーを開始しましたが(OgnevoiはFXPで飛ばした)、修理班1つと引き換えに得た煙幕と、砲駆の中では比較的実用性の高い10 km魚雷を3基15門(Mahanと同様の中央1基、左右に1基ずつの配置)もつUdaloiの取り回しの良さに感動しました。以下はWows Stats & Numbers のLeaderboards要件である40戦を終了した時点での筆者の戦績となります。

 

 

 

2. 隠蔽半切りビルドとは?

 ShimakazeやDaringをはじめとした一般的な駆逐艦では隠蔽性が重要であり、対面する駆逐艦に対する隠蔽不利を避けるために、UGおよび艦長スキルのいずれにおいても隠蔽UG/スキルを採用します。しかしながら、Delny, Khabarovsk, Kleberは隠蔽特化でも隠蔽距離がおよそ7.5 km以上であり、一般的な駆逐艦に対して1 km 以上の隠蔽差が生じます。そのため対駆逐戦闘を行うことが難しく、一般的な駆逐艦とは異なる立ち回りを行う必要があります。

 そこで、艦長スキルの隠蔽を採用しない「隠蔽半切りビルド」を提案します。このビルドでは、性能的に不向きであった対駆逐戦闘を行いません。かわりに、敵後衛戦艦および巡洋艦を射撃して撤退させたのち、占領エリア付近へ前進した味方から十分な火力支援を得られる状態での陣地占領を狙います。この立ち回りにおいては、敵駆逐に干渉しないため隠蔽特化にする必要がなく、隠蔽スキル分のポイントを火力系スキルに振ることができます。

 隠蔽を完全に切ったビルドも初期に試しましたが、隠蔽9 km超がキツすぎて隠蔽UGのみに落ち着きました(Khabarovskを除く。後述)。

 

 

 

3. UGと消耗品について

当項では、筆者が推奨するUGと消耗品に加え、その理由を記します。

写真は、実際に筆者が用いるKhabarovskのUG構成になっています。


UG構成

1スロット:主兵装改良1

 砲駆に限らずですが、主兵装である主砲の機能停止率を下げることは、継続的な火力を出すうえで重要です。というか対空がよほど高くない限りここは主兵装改良1一択です。

 

2スロット:エンジンブースト改良1

 このスロットには、通常のUGに加えて石炭で購入可能なエンジンブースト改良1が搭載可能です。消耗品のエンジンブーストの効果時間を30 %延長するという破格の効果です。ほとんどの駆逐艦はエンジンブーストを3個以上使用可能なので、(効果時間だけ見たら)実質エンジンブースト+1個分と考えることができます。ケチらずに石炭で買ってください。

 

3スロット:射撃システム改良1

 一択です。言うまでもないですが、主砲命中が火力に直結する砲駆においては、主砲の集弾性を向上させるこのUG以外の選択肢はありません。それほど大きな恩恵が得られます。

 

4スロット:推力改良1/操舵装置改良1

 ここからUGに多様性が出てきます。どちらも選択肢に挙がりますので、「実際に艦艇を使ってみて、より使用感の良い方を搭載する」いいと思いますが、個人的には推力を推奨します。簡単にそれぞれのメリットをまとめます。

 

(推力)こちらは停止状態からのより素早い前後進を可能にします。砲駆は動き回っているイメージがあるかもしれませんが、回避のしやすさの面から停止状態で砲撃を行う局面もよくあります(後述)。この状態からの敵弾/航空攻撃/雷撃を回避するうえでの機動性補助として、当UGは高いパフォーマンスを発揮します。

 

 (操舵)こちらは転舵所要時間を短縮します。いわゆる“舵の効き”がよくなり、素早い回避機動に移ることができます。

0から左右に振りきるまでに要する時間=転舵所要時間(港表示)

 

5スロット:隠蔽システム改良1

 隠蔽半切りビルドでは、こちらで隠蔽をとっています。隠蔽を完全に切ってしまうと踏み込みづらくなり、交戦距離が離れて有効にダメージを与えづらくなります。艦長スキルでは採用したい火力・生存スキルが多くあるため、残念ながら艦長スキルで隠蔽処理専門家は採用する余地がありません。

注意:Khabarovskについては死体蹴り昔の度重なるナーフによって主砲射程が著しく短い11.2 kmとなっており、隠蔽も最も悪いためまともに戦えません。研究ポイントで交換できる固有UGを乗せることで、主砲射程を延伸(+10%)できます。このUGは5スロで競合となるため、Khabarovskについては例外的に固有UG一択で、隠蔽を完全に切っています。

 

6スロット:主砲改良3

 ここでは主砲改良3を採用します。艦長スキルの項でも取り上げますが、艦長スキルとUGではそれぞれ射程/装填時間を恒常的に向上させる組み合わせが2パターンあります(主砲改良3+主砲・対空兵装専門家/射撃管制装置改良2+主砲・対空兵装技術者)。前者では装填時間-12 %/射程+20 %の恩恵が得られるのに対し、後者では装填時間-5 %/射程+16 %となります。見ての通り前者は完全な上位互換であるため、艦長兼任で主砲・対空兵装専門家が取れないなどの場合を除き、主砲改良3を勧めます。蛇足ですが、ソ連駆逐はそもそも射撃管制装置改良2を搭載できません。

 

消耗品について

 T8以降のソ連駆逐は煙幕とトレードオフする形で修理班が選択可能になります(Grozovoiツリーはどちらも独立スロットですが、個数が-1されています)。デフォルトで3個、管理込みで4回修理班を使用することが可能であり、T10のDelnyであれば、修理班4回でおよそ16000 もの耐久を回復可能です。また、後述の艦長スキル「恐れ知らずの喧嘩屋」と煙幕の相性が良くないため、修理班を推奨します。

 

 

 

4. 艦長スキルについて

 この項では、艦長スキルとその採用優先度について、☆5段階で評価します(星が多いほど優先度・重要性が高いです)。艦長スキルの割り振りにおける最低条件として、各ポイントで最低1スキルは取得することが条件ですので、必須スキルと優先スキルに分けます。ここに記されていないスキルについては得られる恩恵が小さいか、コストパフォーマンスが低いスキルであり、重要性は低いと考えています。

 10 pt艦長でも最低限の仕事はできますが、快適性を求めるなら最低18 pt艦長は用意しましょう。

 一例として、私がKhabarovskに乗る際の艦長ビルドです。

 

〇必須スキル

予防整備(1 pt, ☆☆☆☆☆)

 主砲や魚雷の機能停止率を低下させます。主砲の機能停止は火力の低下に直結するため、火力スキルともいえます。また砲戦時、主機損傷など他に直したいモジュール被害へ工作班を回すことが可能になるので便利です。

 

最後の抵抗(2 pt, ☆☆☆☆☆)

 駆逐艦必須のスキルです。特に煙幕もなく、その機動性に生存性を依存している砲駆において、主機と操舵装置は命綱です。これらが損傷した際には工作班で直ちに対応したい(場合による)ですが、修理後に再度損傷した場合などでも、回避運動をする上で最低限の出力を維持することができます。

 

抗堪専門家(3 pt, ☆☆☆☆☆)

 駆逐艦で必須のスキル2号です。Tier1につきHPが350増加し、T10では3500増加します。およそ10~15 %程度のHP増加が見込めるため生存性が上昇し、修理班による回復量と相乗効果があるため、非常に有用なスキルです。

 

主砲・対空兵装専門家(4 pt, ☆☆☆☆☆)

 主砲射程を20 %延伸します。射撃機会の増加は与ダメージ増加につながり、また敵艦艇との間により大きなマージン(安全距離)を保ちつつ射撃できるため、生存性の上昇にもつながります。

 

〇優先度の高いスキル

特に優先してとりたいスキルは赤字で記します。

管理(3 pt, ☆☆☆☆☆)

 エンジンブースト、主砲装填ブースター、修理班の使用回数が1回増えます。めちゃくちゃ強いです。特に修理班の回復が1回分増えるのは大きく、Delnyであればおよそ3800(抗堪込みの場合)多く回復できる計算になります。また、エンジンブーストの使用回数増加により、陣地転換や追撃、回避運動などがより容易になります。優先度の極めて高いスキルです。

 

恐れ知らずの喧嘩屋(4 pt, ☆☆☆☆☆)

 主砲・対空兵装専門家に並んで必須級のスキルです。自艦が被発見中に限り、装填時間を-10 %する破格の効果が得られます。隠蔽状態を維持しない砲駆と著しいシナジーを持ち、これが煙幕より修理班を推奨する理由の1つです。あと対空時にバブルが増えるというのも地味にうれしい点です。

 

敵弾接近警報(1 pt, ☆☆☆☆☆)

 コストパフォーマンスがよく、極めて優先度の高いスキルです。効果としては遠距離(4.5 km以上)から射撃を受けた際に、画面に警告が表示されます。砲駆はその関係上、スコープを覗いて射撃している時間が長く、またほぼ常に姿をさらす関係上、複数の敵艦艇から同時に狙われる局面が多くあります。このとき、視界外の敵から射撃を受けた際の回避運動が容易になり、被弾確率を下げ生存性を向上させることができます。

一般的には、射撃の合間にフリールック(右MB)で周囲の状況を確認しますが、これをつけるとその頻度を下げることができるので快適性がめちゃくちゃ上がります。周囲の警戒をサボりたい人向け。

 

アドレナリンラッシュ(3 pt, ☆☆☆☆)

 自身がHP 1 %を失うごとに兵装(魚雷含む)の装填時間を-0.2 %短縮します。基本的に撃ち続ける/撃たれ続ける関係上、HPはある程度減った状態であることが多く、後述の主砲・対空兵装技術者より高い恩恵を得られることが多いです。

 

危険察知(2 pt, ☆☆☆)

 自分が何隻の敵にロックされているかを発見インジケータに表示します。自分がするべき回避運動の程度に影響を与えるので、ポイントが余るなら取りたいスキルです。ある程度慣れると、自分がおよそ何隻から狙われうるかを感覚的に理解できるようになるので、優先度が下がります。

 

主砲・対空技術者(3 pt, ☆☆)

 主砲装填時間を恒常的に5 %短縮します。しかしながらアドレナリンラッシュ(AR)と比較した際に、HP75 %以上の場合でしか短縮率がARを上回らないため、取るならばARの方が優先度は高いでしょう。

 

歯車のグリスアップ(1 pt, ☆)

 主砲旋回速度を向上させます。思わぬ方向での会敵時など有効な場面はありますが、優先してとるスキルとは言えません。もし1ポイントが余った時には取りたいスキルです。KleberやZ-42のような、砲塔旋回がカスみたいに遅い駆逐艦では採用があります。

 

 このように、艦長スキルは「隠蔽処理専門家」より優先して取りたいスキルが非常に多く、ポイントに余裕がないため、艦長スキルで隠蔽を切るビルドをとっています。

 

 

 

5. 射撃時に必要な判断

 砲駆で気持ち良くなるためには、弾を当て続ける必要があります。しかし、自艦の耐久には上限があるため、試合を通して撃ち続けるには被弾を減らす立ち回りをする必要があります。ここでは、被弾を減らし、射撃の有効性を上げるために意識するべきことをまとめます。

 

5-1. 射線は限定できているか? 

 被弾を減らす技術は回避運動だけではなく、地形を用いて敵からの斜線を切る技術があります。

マップにもよりますが、戦場となる海域は主に、

  • 島がないか、低い島が散在する開けた戦場(ex. 沖縄、眠れる巨人のC側)
  • 巨大な島があり、一部射線が限定される戦場(ex. フェロー諸島、戦士の道C側)

の2つに大別されます。前者では戦場となる海域が開けているために敵味方ともに射線が限定されず、すべての艦艇が射撃されうる状況となります。敵・味方の位置をミニマップで適宜確認し、自艦がどの程度射撃を受けるのか、そしてそれは回避可能であるかを見極めて射撃しましょう。目安として、同時に3隻以上からの射撃が想定される局面では、基本的に発砲すべきではありません。

 

5-2. 回避機動は十分に行えるか?

 5-1において戦場の特徴を紹介しましたが、火の地C側などは島こそ低いものの多くの島があり、空間的余裕は少ない海域があります。これらの海域で砲戦を行う場合(特にKhabarovskなど転舵性能が著しく悪い場合)は座礁による集中砲火のリスクが常に存在します。フリールックでこまめに周囲を確認しながら回避を行いましょう。また、衝突回避システムは必ず切っておきましょう。自分の動きたい方向と違う方向に勝手に旋回が行われることがあり、回避時に限らず障害となります。良くないよこのシステム。

 

5-3. 序盤はHPを温存しよう

 味方も敵も本当の意味でフォーカスが可能なのはおそらく最序盤と終盤に限定されます。初動の段階ではすべての敵艦の移動ベクトルがおおよそ一方向に向いており、ほぼ全員が同一目標への射撃が可能ですが、戦闘の進行にしたがって艦艇の向きや自艦との距離が一様ではなくなり、複数艦艇で同一目標に有効な射撃を行うことが困難になるためです。特に砲駆の場合、距離が離れすぎていると「どうせ当たらないから撃たない」という選択肢を取られがちです。そのため、敵弾回避の容易さやHP管理の面でも、特に序盤からの過度に積極的な砲戦や追撃戦は避け、デメリットをメリットが上回ると判断したときのみ射撃を行うようにしましょう。特に砲駆初心者の方は、初動でHPを失いすぎて積極的な砲撃ができないといったことがないように注意しましょう。砲駆が真価を発揮するのは中盤以降です。

 

5-4. 敵艦を引き付ける 

 最も好ましいのは自艦が安全に射撃でき、有効弾が見込める局面です。そのために、敵が射程内に入り次第射撃を行うのではなく、ある程度踏み込む姿勢や転舵に時間を要する姿勢であることを確認した(=敵が引きつけられている)うえで射撃を行いましょう。十分な引きつけが行えていない場合、敵艦の奥転によってすぐに有効射程から出てしまい、敵駆逐のスポットによる発砲ペナルティのためにこちらが一方的に撃たれる状態になってしまいます。

 

 

 

6. 初動は外へ向かうべし

 ビルドの狙いについて冒頭に記述しましたが、この運用では大型艦への火力投射によって、敵の後衛となる巡洋艦・戦艦が構成するラインを後退させることを狙いとします。ソ連/仏駆逐ではその速度を生かし、戦闘序盤に外周へ展開することで敵艦隊の頭を押さえて射撃を行い、継続した被弾を嫌った敵艦を引き撃ち状態へと移行させることを狙います。

 ただし、この立ち回りではもっとも味方から離れた位置へと展開します。敵の数が多い場合や味方がサイドチェンジを行おうとした場合には孤立してしまい、自身に火力がフォーカスされる可能性があります。この際には過度に積極的な射撃をせず、味方を見ながら最低限の遅延程度にとどめましょう。また、罠や大西洋C側のような、島などの制約で著しく外周が狭い場合は過度な外周展開は控えましょう。

 状況にはよりますが、何もない限りは特になんも考えずに外周に展開していればよいと思います。ある程度砲駆に慣れてきたら、目的に応じてどのような立ち回りをするべきか(遅延を行う、ダメージを稼ぐ… etc)がつかめてくるはずです。こればかりは経験ですので、意欲があればマップ研究を行ったり、敵艦艇の狙いを予想して動いたりするとよいでしょう。

 

 

 

7. 戦闘におけるいくつかのテクニック・お役立ち情報

 ここでは、すべての艦種において有効なテクニックや基礎設定に加え、砲駆において知っておくとよりよいテクニックなどの一部をご紹介します。是非ご活用ください。

 

7-1. よく使う操作はなるべく近いキーに配置する

 移動のWASD、消耗品や弾種切り替えに加えて、前述した対空のon/offや砲塔視点の切り替えなど、砲駆では射撃中に多くの操作を並行して行うことがあります。砲駆に限らずですが、プレイを円滑に行えるよう、よく使う操作はなるべく近いキーに配置しましょう。一例として、筆者は視点切り替えをVキー、対空on/offをマウスの横ボタンに配置しています。

 

7-2. AP弾は積極的に活用しよう

 HE弾は装甲を貫通できない敵にも火災を引き起こしてダメージが与えられますが、AP弾は適切な角度であればHE弾を上回るダメージを与えることができます。特に、戦艦であっても舷側上部や艦首艦尾は装甲が比較的薄く、小口径AP弾でも有効にダメージを与えることができるため、積極的に狙いましょう。

 

7-3. 命中リボンを確認する癖をつけよう

 砲弾命中時には、主に「貫通」「過貫通(AP弾のみ)」「不貫通」「跳弾(AP弾のみ)」のリボンが表示されます。このうち、「過貫通」と「不貫通」は射撃箇所が、跳弾は対象に対しての角度が適切でないことを示しています。命中リボンを適宜確認し、射撃箇所の変更および有効な弾種の切り替えを行いましょう。

 

7-4. 砲塔視点の確認

 多くの艦艇は艦橋を挟む形で、艦の前方および後方に主砲群が配置されています。スコープを覗いて射撃した際、特定のキーを押すことで視点となっている砲塔を変更することが可能です(原キーはC)。自分が今前後どちらの砲塔を覗いているのかを把握しておけば、スコープ視点で敵弾接近を目視した際、艦の前後どちらに着弾するかがある程度予測可能です。前方を覗いている際に敵弾が艦首側に着弾しそうであれば、減速することで回避可能ですが、後部主砲視点で覗いているときに同様の判断をしてしまうと、減速したのに弾がドンピシャで当たってしまいかねません。多くの人が活用できていないであろう基礎的な操作なのでここで共有しておきます。お願いなので上手な砲駆乗りは増えないでください。

 

7-5. 回避の基本

 砲駆はその優れた速度と巡洋艦にはできない旋回性能(Khabarovsk除く)から、回避をより有効に行うことができます。敵弾の回避は主に加減速、転舵、これらの組み合わせによって行います。自艦の運動性能を港で確認し、トレーニングモードやcoop線などである程度の感覚を把握しておく必要があります。これを踏まえたうえで次に進みましょう。

 

7-6. スコープ視点は最大アップからやや引いた視点で

 より正確にエイムを合わせるために、スコープは基本ズームした状態で射撃していると思います。しかしながら、この状態では同じ距離エイムをずらすために必要なマウスの移動距離が伸び、かなり手間です。また、弾着までにかなり時間がかかってしまう関係上、最大ズームでは遠距離射撃の際にどの程度の偏差で弾が当たっているかを確認しづらく、加えて飛来する敵弾を視界にとらえにくいという欠点があります。基本的には、最大ズーム状態から1~2段階引いた状態で射撃を行うと、偏差の修正と敵弾確認が容易になるでしょう。

 

7-7. 初弾は減速しないのが吉

 おそらく砲戦が開始される頃にはエンジンブーストを使用し、最高速に近い速度で航行していることでしょう。砲駆の代表であるDelnyやKhabarovskはエンジンブースト込みで約50 knotで航行が可能であり、MarceauやKleberは55 knot近い速度が出ます。これは島風など一般的な駆逐艦に比べて5 knot以上早い値であり、近距離ならまだしも中~遠距離ではまずエイムが合いません(当然ながら、上手なプレイヤーは初弾からかなり近い場所に放り込んできます。怖いね)。これは特に経験の少ない初心者を相手する際に顕著であり、中途半端に減速することでかえってエイムがあって被弾してしまうという現象が起きます。次弾以降は修正射が飛んできますので通用しませんが、会敵後の初弾に限り、全速力回避は極めて有効な手段です。ただ当たるときは当たります。過信しすぎないようにちゃんと弾を見て避けましょう。

 

7-8. 停止からの前後進

 このまとめを書くきっかけとなったテクニックです。先日3/17に、vdqoo9氏が以下の投稿を行いました。

https://twitter.com/vdqoo9/status/1636695794211495936?s=20 

 詳細はツイートを確認していただきたいですが、これは敵艦の順次射撃に対しての回避テクニックです。停止状態における初弾回避時、わずかに後進/前進の挙動を見せることでフェイントをかけ、2射目以降の射撃確認後に直ちに前後進を切り替えて回避するというものです。これは基礎的なテクニックであり、順次射撃への対処札として有効です。ただし、撃たれるまでは停止している関係上、1 on 1のケースでのみ有効な方法であり、装填の早い艦艇には効果が薄い点は留意する必要があります。また、vdqoo9氏は駆逐艦に精通しており、このようなテクニック応用例をたまにツイートしています。ぜひフォローして技術を吸収してください。

 

7-9. 回避優先度はBB=CA>DD

 すべての弾を回避するのは基本的に無理なので、どこまでもらっていい弾か取捨選択をする必要があります。CAやBB(特にVeneziaのSAPやShikishimaのAP、Conqueror/ThundererのHEなど)は一撃がDDより重たい代わりに、射撃間隔が長く、落ち着いて対処すれば直撃することは殆どありません。一方でDDは装填が早いため回避は難しいですが、ダメージは低いため致命傷をもらうことは少ないといえます。どの敵艦が最も脅威かを判断し、最低限その艦艇の射撃を回避できるように注意を払いましょう。

 この項についても、vdqoo9氏が参考動画を投稿されているのでここにご紹介します。

https://twitter.com/vdqoo9/status/1626142959031947266

 

7-10. 対空のon/off切り替え

 駆逐乗りの方の多くは、無用な航空発見を受けないように対空は基本offにしていると思います。砲戦が始まると忘れがちですが、水上艦に見つかっている間は対空をoffにする必要がないため、敵を射撃する際には合わせて対空をonにする癖をつけましょう。隠蔽に入る際には、これをoffにするのを忘れないように。筆者はたまにやらかします。

 

7-11. 装甲を使え!

 これはDelnyおよびKhabarovskに限定される話です。これらの艦艇はその側面の一部に50 mm装甲が配置されており、大型巡洋艦や独203 mm以上を除く一般的な巡洋艦のHE弾を不貫通にすることが可能です。また、HE弾のみならず、適切な角度であれば大口径AP弾を跳弾することも可能です。敵艦に完全に縦を向けてしまうと被弾面積は減らせますが、装甲帯にほとんど命中しないため普通にダメージを受けてしまいます。一方、適度に艦を傾けて角度をとることで、装甲帯によってHE弾やAP弾を無効にできる確率が上昇し、HP喪失を抑えられます。ただし、装甲帯の影響で小~中口径砲のAPが過貫通せずに貫通判定になりやすいため、必要以上に傾けないよう注意が必要です。君たちのことだよ、独第2ツリー駆逐(25 mm)…

Delnyの50 mm装甲部分はもう少し小さい

 

 

 

8. 終わりに

 ここまで基礎的~応用的な知識・テクニックをまとめてみましたがいかがでしたか。もちろん、ここに書きまとめたものは代表的なものであり、ある程度経験に依存せず実践に移しやすいものを選択して記しました。これらに加えて、もっと局面に応じた経験的な動きなどもありますが、言語化が難しいうえキリがないのでこのあたりで終わりにしたいと思います。この記事が読者様のよりよい砲駆ライフにつながれば幸いです。また、ランダムでcapに行かない砲駆を見かけても、「まああいつは火力吐いてくれるだろうからいいか」と寛大な心で許してやってください。あなたが思っている以上に砲駆もいろいろなことを考え、行動しています。ただ、すぐ死ぬ奴には遠慮なく通報ぶち込んでやってください。

 

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。気が向いたら別の駆逐艦’sでも駄文を書きまとめるかもしれません。またご覧いただけると幸いです。さらに踏み込んだ質問などは、筆者のTwitterまでお願いします。本当に不定期ですが、Twitchでも気が向いたときに配信をしています。よろしければ足を運んでみてください。また、戦場で出会った際には一声おかけください(賛辞投げときます)。

 

 

謝辞

 当記事執筆にあたり、構成や編集をわらび餅氏(Twitter: わらび餅(@warabi99_wows)さん / Twitter)にご助力いただきました。また、扱う内容についてvdqoo9氏(Twitter: vdqoo9(@vdqoo9)さん / Twitter)にご助言いただき、参考として動画の掲載を快諾いただきました。深く感謝申し上げます。